なぜ、「オトラクション」は終わったのか

なぜ、「オトラクション」は終わったのか


2022/2/26、悲しいニュースがあった。
TBSで放送されていた、「オトラクション」という番組が最終回を迎えたのだ。

年度末を1か月残したうえでの番組は事実上の打ち切りと言える。

私自身、この番組に期待していたのに終わってしまうのは、非常に残念の極みであった。

なぜ終了してしまったのか
そして第2、第3の「オトラクション」を生み出さないためにも終わってしまった原因を厳しく追及しようと思う。
レッツゴー。


①番組の地盤固めを怠った
本番組は一度に土曜午後に単発番組で放送し、
その後21年4月にレギュラー放送を開始された。
TBS土曜午後は関東ローカルとは言え、未来のレギュラー番組が生まれる金の卵枠と言える存在。
多少荒削りな番組も多い中、本番組の完成度は当時高く、自分の中でもゆくゆくはレギュラーに行ける番組だと確信していた。

だが、そこで慢心してしまったのであろう。
レギュラーまで放送したのはその1回のみ、長続きさせるためには何回も試運転(特番放送)すべきであった。
何回も放送してもコーナーの質が落ちないのか、全国ネットやゴールデンに放送しても数字が取れるのか、MCと番組が一体化できているか。
1回のテストだけで分からないことが、複数回のテストで浮かび上がることだってある。
スポーツでいうと、1度練習試合の成績が良かった選手を実践に上げてしまい、結果が悪かったという感じのことだ。
1度の放送でうまくいったところで、その成功が実力か偶然かは測れない。
何度もテストを重ねて、番組の真価を確かめないといけなかった。

 

②1時間向けに番組をシフトできなかった
単発1回の放送しかしていないことは先述の通りだが、
ゴールデンに上がった番組に必要なのは1時間版の作成である。
特番なら2時間という十分な時間のもと、質の高い番組を作ることが出来るが、レギュラーであれば他の人気番組の兼ね合いもあり、1時間で満足する番組を作らないといけない。

本番組は複数のゲームで構成されたうえ、1時間枠だとゲームを減らす対応をやったことで、縮小感が否めない。
1時間枠であれば、単純にゲームの数を減らすのでなく2回戦やるゲームを1回戦に減らしたり、2チーム対決形式を1チームチャレンジ形式に変えたりと試行錯誤を実施して番組の不足感を解消すべきであった。
消え物に安易に逃げるべきでなかった。


③企画のネタ切れ
主なコーナーは以下の通りだ
・音楽に合わせて、リズムゲームのようにタイミングよく体を動かす
・バラバラになった曲の一部を並び替える
・お題に沿ったオノマトペを言う
・カラオケで課題曲を歌い、途中音が切れる部分をはさんでも特定の歌詞の部分をピッタリ歌い上げる

一目見ると問題ないように見える企画だが、年単位で考えた長いスパンで考えると問題点が浮かび上がる。
・音楽に合わせて、リズムゲームのようにタイミングよく体を動かす
→ゲームに使われる音楽にネタ切れ。

・バラバラになった曲の一部を並び替える
→1つ目と同じく、曲のネタ切れ

・お題に沿ったオノマトペを言う
→有限である物に対してクイズを立てるとネタ切れが発生するのは明らか。

・カラオケで課題曲を歌い、途中音が切れる部分をはさんでも特定の歌詞の部分をピッタリ歌い上げる
→企画のインフレ化。0秒を目指す企画であれば、コンマ数秒の勝負となり、表示される記録に対して目新しさがなくなる。


という風に欠陥が多い。
毎週放送として長く番組を続けたいのであったら、企画数を増やしネタ切れを起こさないようにすることが大切だった。
それはすなわち①の放送不足につながるのだ。

以上である。
良質な番組を打ち切り番組にまで失墜させてしまった責任は大きい。
もし今後、単発で好評だった番組をレギュラー番組に昇格させたいのであれば、本番組の失敗を活かして、同じ道をたどらないようにして頂きたい。